Marty Neumeier, “Brand Gap”

 コカ・コーラ社の半分以上はブランドでできている。そのブランドの価値はおよそ700億ドル、約8兆円とか。普段、我々が空気のように接している「ブランド」というものには、なかなか侮れない価値があるようだ。
 そんな、一般人には何だかよく分からないけれど、企業にとってはコンサルを雇ってでも世間に浸透させたい「ブランド」について語った本、”Brand Gap”を。

Brand Gap

 「ブランドとは何か?」から始まり、いかに企業がブランドを構築すべきかを、Differentiate、Collaborate、Innovate、Validate、Cultivateの五章に分けてざっくり説明。各項目は大体こんな感じ。

Differentiate: 差別化しろ。一番か二番を目指せ。さもなくばスコープを変えろ。顧客へのメッセージは、”what it is”から、”what it does”, “how you’ll feel”, “who you are”へと進化させろ。

Collaborate: 右脳屋と左脳屋を一緒に働かせろ。ハリウッドやシリコンバレー的な、プロジェクト単位で人を集める方法が良い(ブランドとは直接関係ないような)。あとプロトタイプは役に立つ。

Innovate: 革新こそビジネスの原動力。みんなと違う発想をしよう(うん。まあそうだろう。で、具体的にどうやって?)。いい名前をつけよう。動かないロゴはもう古い。これからは動くロゴだ。ウェブサイトはシンプルで簡単に使えるように。

Validate: 顧客からのフィードバックを手に入れろ。ロゴのデザインとかを色々入れ替えてみて、印象を確かめろ。定量的調査よりも定性的調査を。大規模に調査してもあんまり効果は上がらない。

Cultivate: 組織もブランドも生きている。みんなでブランドを育てていけ。大きくなってくるとトラブル時のダメージも大きくなるので気をつけろ。ブランドにはとても高度なマネージメントが必要なので、そのうちCBO (Chief Brand Officer) という役職が普及するだろう。

とまあ、マーケティング屋らしい与太話で締めくくられる。一般人向けらしく、ほとんど根拠も議論も無く突き進むが、とりあえずブランドについて分かったような気にさせてくれる本。読み物として読んでみる価値はあると思う。専門家にとっては何の役に立たないだろうけど。(★★★)


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