IT ベンチャーとか Sler とか技術とか

何か Sler に批判的なエントリを数多く目にしたのと同時に、その反応として、技術を磨きたいなら IT ベンチャーへ、みたいな意見が意外と多かったので、多分、学生はこのブログを見ていないと思いますが、少しだけ、思ったことを書いてみます。

まず、IT はベンチャーか Sler かの 2 択ではないので、技術を磨きたいなら IT ベンチャーへ、というのは、個別のケースとしては正しい場合もあると思いますが、鵜呑みにするのは危険です。ベンチャーのように不安定な環境じゃなくても、自分で仕様を決められて、コードがガッツリ書けて、海外の人達とコラボもできます、みたいな会社は、私が知っているだけでも結構あります。だから、単に技術を磨きたいだけ、という人がベンチャーを目指すのは明らかに早計で、もちろん、結果としてベンチャーに決めたというのはアリですが、もっと色々な会社を調べてからの方が良いよ、と声を掛けたくなってしまいます。

私の前職は web 系 “ではない” ソフトウェアの研究開発職ですが、職場では、ソフトウェア開発のキャリアが 20 年を超えるような、40、50 になっても現役でコードをガッツリ書いている方々が結構いましたし、また、そうした先輩達と意見を戦わせたりする中で、私は多くのことを学びました。(まだ先輩達の域には到底及びませんが。)

また、例えば、私は前職の間に何万行コードを書いたかは覚えていませんが、全体の規模が数百万行を超える大規模ソフトウェアの開発に携わったりもしていました。(規模に関して言えば、もっと大規模なものもたくさんあると思います。)

もちろん、年配の職人エンジニアがたくさんいること、そして、規模が大きいこと、これらは自慢にはなりません。なりませんが、これらは、私が知るような IT ベンチャー、とりわけ web 系では、あまり経験のできないことだと思います。そしてその経験が、今の私につながる血肉となっているのも確かです。

当たり前のことですが、優秀な方々はいわゆる大企業にもたくさんいるし、コードをガッツリ書ける職場、技術を磨ける職場がないわけではありません。

IT ベンチャーへの就職、転職は、ある程度リスクが伴い、また、実際の職場では、環境、待遇が不安定な中で 、「自分が頑張らざるを得ない」 ような状況に置かれることもしばしばあると思います。まさに、無数にある会社の歯車としてではなく、メインの動力として働かなければならなくなるわけで、それは、人によっては大変面白くやりがいのあることだと思いますが、少なくとも、技術を磨くこととは直接的にイコールではありません。(もちろん、イコールになる人もいますが、それは人によります。)

要は、Sler では技術が学べないから IT ベンチャーへ、なんて流れが万が一にでもできると、甘い考えで入社して後で後悔する方々が続出しそうだ、ということです。人によっては、隣の芝は青く見えるもの。多分、日本の IT ベンチャーの現状は、そうした方々が想像するよりも厳しいと思います。

とはいえ、私はこの仕事を始めてから、隣の芝が青く見えることはなくなりましたが。

誰がチクチク脅かそうが入ってくる人は入ってくるものだと思いますし、そういったリスクテイカー、チャレンジャーはむしろ大歓迎だとも思います。学生のみなさんは、風評に惑わされず、よく考えて就職活動をしてください^^



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